活動の年次記録

水害時避難訓練

平成20年12月25日

水害時避難訓練を実施!

―東新小岩7丁目町会が「ご近所の底力」を発揮―


 皆さんご存知の通り、葛飾区は荒川・江戸川の水害に備えてハザードマップを作成、区内の皆さんに配布・説明を開始しています。このハザードマップはこれらの川が上流で堤防が決壊したり、洪水になって溢水した時にどこがどのぐらい浸水するか、その時住民はどこに避難するのかを示しています。

 荒川のハザードマップの配布を受けて、早速水害を想定、特に災害弱者である高齢者を対象に避難訓練を実施した町会があります。それは東新小岩7丁目町会(中川榮久町会長)です。その模様をご紹介するとともに、避難訓練がスムースに行われたその背景にある日ごろの取り組みをご紹介し、皆様方の参考に供したいと存じます。

 なお、当NPOでも来年度の事業の一つとして高齢者・小学校低学年児童を対象に、公共交通機関を利用した避難訓練を行うべく準備を進めています。


避難訓練参加者

 1.東新小岩7丁目町会の実施した水害時避難訓練

 この避難訓練は10月12日、日曜日に町会役員の方が東七福寿会(東七丁目町会老人クラブ)の皆さんを避難の対象者と想定して行いました。  大雨・集中豪雨・超大型台風などが接近し、区の対策本部から避難勧告が出た場合には、事前に要介護者・乳幼児・高齢者に町会役員が声をかけ、車で安全で安心のできる避難場所(7丁目町会の場合は市川市国府台方面)に避難することを申し合わせています。

 当日は役員を含め要避難対象者35名が7台の車に分乗、今回の避難場所に想定した江戸川河川敷菖蒲園駐車場に無事避難しました。避難場所では、災害時に必要になるロープの結び方の練習なども行いました。この訓練には区の防災課・北地区センター長にもご参加いただきましたが、区防災係長さんのお話ではこのような訓練は区内では初めてのことだが、大変有意義な訓練なので区内の他の自治町会にも波及させていただきたいとのことでした。

 ところで、この水害時避難訓練の話は葛飾区内への紹介にとどまらず、12月10、11の両日にわたって行われた東京都特別区(23区)防災担当職員の「震災時の危機管理」に関する研修会の場でも、中川町会長から「わがまちの危機管理」と題して紹介され、受講者全員の注目を浴びました。また、このイベントがきっかけとなって町会への加入者が増えたとのことです。


昼食時の意見交換

2.避難訓練成功の鍵

 この避難訓練は大変スムースに秩序よく行われましたが、それも常日頃からの計画・対策が周到に準備されていたからです。1500世帯、4000人を有するこの町会では常日頃から災害対策のための組織と、発生時の避難・救助などの活動マニュアルを整備し、それに従って随時消火訓練や避難訓練などを実施してきました。

更にこれらの活動に多くの方に参加してもらうために、常日頃から町会員が仲良くしてもらうための努力もしてきました。たとえば、弔事の際の役員による弔問、子供誕生の際のお祝い券の贈呈にはじまり、クリスマスツリーの設置や芋煮会などの親睦行事の開催などによって会員相互の親睦をはかると共に、個人情報の保護に配慮しつつも会員の家庭状況の把握に努め、災害弱者のリストの整備を行ってきたのです。このような日ごろからの地道な活動があってはじめて緊急時の避難訓練なども可能になったものと思われます。

 因みにこの町会では地震による破堤や高潮などで生ずる水害などに備えて、緊急避難のため近隣の集合住宅の管理組合責任者に3階以上の廊下または階段に一時避難させてもらうよう依頼してあるとのことです。 さあ、この町会の活動を参考にしてあなたの町でも万一に備えて避難訓練をやってみませんか。

江戸川河川敷への避難訓練の様子
(左)東新小岩7丁目の町会旗を付けた先頭の車 (右)車7台に分乗して避難訓練開始
(左)無事避難場所の河川敷に到着 (右)葛飾区の防災課の職員も参加
(左)避難時の注意点を再確認 (右)当日使用した腕章

 

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