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見学会報告「中川七曲り工事現場」(2016/12/15)
「中川七曲り工事現場」見学会報告
日時:平成28年12月15日(木) 12:30~14:40
場所:葛飾区立石八丁目:本奥戸橋右岸上流「中川護岸耐震補強工事その35工事現場」
参加者: 新小岩北地区連合町会 東原連合町会長ほか 計17名
報告概要:
直前まで冬の雲と、川風の吹く悪条件下での見学会になるのではと心配された工事現場は、説明が始まると共に暖かな陽が降り注ぐ、恰好な見学会日和となった。
この見学会は当初、上平井中学校地域防災ボランティア部が予定していたものの日程が合わず、急遽新小岩北地区連合町会の見学会となった。
道路から川の中の、完成して間もないテラスに降り江東治水事務所榎園課長代理から中川全線に亘る「耐震補強工事」の進捗状況をお話し頂き、続いて土屋監督員から工事内容を詳細にお聞きした。
先ず、今の護岸は昭和62年度に完成したものの、平成7年の阪神・淡路大震災と平成23年の東日本大震災を経て、これら2大地震にも耐えられる丈夫な耐震補強工事を「七曲り約10㎞の内既に約60%完了し、平成32年度全線完成を目指している。」とのお話だった。
続いて土屋監督員から耐震補強工事の流れを、パネルで順を追って説明して下さり、このため一通りの前知識を頭に入れることが出来た。
お二人の若い東京都職員は、工事の必要性と工事によって得られる安全性を地元住民に知って欲しいとの気持ちが自然に伝わって来るひた向きで熱心な説明だった。
事業や工事内容が分かったので、いよいよ現場を案内して頂けると思い、櫓が立ち並んでいる目の前まで歩くと、テラス上にテントが張られ椅子が整然と並べられ、大型石油ストーブが勢い良く燃えている、川の中とは思えない説明会場だった。
参加者全員にヘルメット、手袋、ひざ掛け毛布、熱いペットボトルが渡され、施工会社による工事説明が始まった。
社員による手作りの紙芝居は、絵と文字が一枚一枚誰にでも分かるように丁寧に描かれており、しかも画面と同じ実物を目の当たりに出来る迫力はまた格別であった。
紙芝居は、低地帯特有の液状化の仕組みの説明から、工事用の船が護岸に近づけるよう掘削工から始まり、次に鋼管矢板圧入工そして深層混合処理工、最後に仕上げとなる修景工までが細かに描かれており見る者を飽きさせなかった。
現場はちょうど地盤改良のための深層混合処理工事が行われており、普段は、「本奥戸橋」からでしか見られない、高さ40mもの櫓の心棒が互いに内回りに絶え間なく回っている様子が手に取るように見え、日頃見慣れている道路工事と今回の河川工事とでは、場所だけでなく規模と内容の違いを十分知ることができた。
一通り紙芝居による説明が終わると参加者は2班に分かれ、液状化の模型と櫓に近づいて観察する班と、護岸より高い位置から全景を眺望する班とに分かれた。
それぞれの班に工事関係者が付き添い、見学者の質問に一つ一つ分かり易く答え、再び集まっての質問コーナーでは、「なぜ川の中だけを強くするのか。川の外側も強くした方が良いのでは。」との質問に東京都職員の方から、「地震による液状化対策が重要なため、最も効果的な堤防前面の補強を行っています。」との回答がありました。
当初12時半から1時半までの見学会は、参加者の熱心さと説明される東京都並びに施工会社の誠心誠意の対応で、見学時間は優に2時間を越え、時刻は午後2時半を回っていた。
紙芝居を見ながら説明を聞き、顔を現場に向けては工事の状況が把握出来た、今回の新小岩北地区連合町会見学会は解散に際し、施工会社から「水害に強い街づくりを目指して活動されておられる皆様へ。」と小ぶりな防災袋が配布され、見学は無事終了した。
ご協力頂いた江東治水事務所を始め施工会社の皆様本当に有難う御座いました。