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活動の年次記録
中川護岸耐震補強工事現場見学会(2017/7/31)
上平井中学校地域防災ボランティア部と地元町会の方々による
中川護岸耐震補強工事現場見学会(報告)
日時 :平成29年7月31日(月) 14:00~16:00
場所 :葛飾区奥戸三丁目河畔
参加者:上平井中学校地域防災ボランティア部員5名と顧問の先生、
上小松町会と東新小岩5丁目町会及びアーバンハイツ自治会8名、
東京大学生産技術研究所2名、NPO 1名 計17名
見学概要:
前日の曇り空とは打って変わって、真夏の日差しが照り付ける猛暑日にもかかわらず、定刻の13:50には全員が「奥戸車庫停留所」の木陰に集合し、見学場所へと向かった。
途中の護岸の上には、等間隔で鉢植えの花が植えられており通る人の心をほっとさせている。
普段は入れない川の中のテラスにはテントと椅子が並べられており、参加者を関係者全員で迎えてくれた。
東京都職員の方から「中川七曲りの護岸の高さは、伊勢湾台風級の高潮にも耐えられるようになっているが、護岸が七曲り全区間を将来にわたって考えられる最大級の地震にも耐えられるよう、平成33年を目標に川側の耐震補強工事を鋭意、進めている。」旨の全体事業と、当現場の工事概要について説明があった。
次いで、工事現場の責任者と技術者が詳細な工事について話された。
工事責任者の方から、「先日現場をドローンで撮影したので後程ご覧下さい。」と言われ、技術者の方は、「工事手順を手作りの紙芝居で説明します。」と言って、昔懐かしい紙芝居道具を取り出し、工事が進む様子を分かり易く話して下さった。
前に座った中学生や後ろの町会の方々は、目の前の紙芝居画面と川の中に浮かぶ高い櫓の工事船や、大きな箱が並べられている台船を見比べながら、真剣な表情で説明に聞き入っていた。
一通り説明が終わると早速、「川の中は丈夫になるけれど住宅のある川の裏側はどうなるのですか?」との質問に都の職員の方から、「川側の耐震補強工事が完了しましたら、川裏側につきましても、耐震補強が必要な区間を整備いたします。そのための基本調査・設計、詳細な実施設計等を行って参ります。」とのお答えを戴いた。
工事現場は、工事延長が約600mと長いため3班に分かれて順に見学することとなった。
第1班は現場を、はしけに乗って川の中から工事の様子を見、第2班は川底深く改良される前と後の、標本を手で触り、液状化の様子を手作りの模型で説明を受ける班、第3班はテラス上の仮設足場から目の前の工事とドローンで真上から撮影した工事の説明を受ける班とに分かれた。
第1班は、テラスから揺れる桟橋をこわごわロープに摑まりながら、船着き場の台船へと移って乗船し、真夏の陽射しと心地良い川風を受け、高さ40mもの櫓がそれぞれ4本立っている4隻の台船を順に見つつ、本奥戸橋まで遡った。
工事現場らしからぬ静かな環境の中で、櫓に支えられた管(シャフト)が回り、1日300~400tのセメントを陸送或いは海上輸送し、川底の土と攪拌して地盤改良が着々と進められていた。
途中、テラスの班と手を振り合っていた。
第2班は、液状化現象を手作りの模型で説明を受けた。
模型は、川底の土の上に建物と護岸が建っているが、スイッチを入れて揺らすとたちまち倒壊・沈み、土中の下水管とマンホールは逆に浮き上がって来、一方、川底の土とセメントを攪拌して補強した地盤では揺らしてもびくともしない様子が、手に取るように分かる仕組みだった。
又、川底の土と攪拌後の土の標本が並べて置かれ、川底の土が頑丈に改良されているなあと安心した。
第3班は先日、ドローンを飛ばして真上から撮影した工事現場を見たが、画面は作業する人達の動作や、技術者が指示する様子或いはシャフトが規則正しく互いに逆回りする様子が鮮明に映っており、省力化と的確な監督に役立つと思われた。
ついで、テラスの仮設足場から川の中の現場を間近に横から見ることが出来、
目の前の800t台船と、護岸上の脚のない測量機械が一定間隔に据えられ、台船には100tセメント貯蔵箱が4個、護岸上の測量機械4台は一様にそれぞれの櫓の方を向いていた。
貯蔵箱はセメントが途切れないよういつも満杯にしており、測量機器は櫓とシャフトが垂直に据えられているかを常時チェックできるよう遠隔操作されているとの話だった。
参加者は、「工事で川は汚れないか?」、「作業している人のトイレは?」、「1m当たりどれくらいかかるか?」等熱心に質問し、その都度東京都と施工会社の方が丁寧に回答していた。
一通り各班が見終わり最後に全員で記念写真を取り現場を後にした頃には真夏の太陽も西に傾きかけていた。
今回の現場見学に御尽力頂いた、東京都江東治水事務所高潮工事課工事担当及び施工会社大豊・キムラJVの方々に心より御礼申し上げます。